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003 ニューメディアはいつも、いかがわしいところから広がる [19世紀末という時代]

003 ニューメディアはいつも、いかがわしいところから広がる 

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●映画が誕生した19世紀末のベーカー・ストリート

  私たちの21世紀はインターネットで開けた気がします。今の世の中、デジタル技術が無ければ夜も日も明けない状態ですが、その中で日常的に接する機会が多くなっているのがAVと呼ばれる分野です。AVとはすなわち「オーディオ/ビジュアル」、つまり「音声/画像」の略で、両方を備えたものが「映像」と呼ばれます。くれぐれも他のAVと早合点なさらないように(V/A、つまりVideo/Audioとも表記しますが)。

 
1950年代後半。8ミリ映画が市場に出回るとすぐに「ブルーフィルム」なるものが登場しました。当初はモノクローム、つまり白黒フィルムでしたから、それでは味気ないということでブルーに染めたものかと思っていました。けれども、そうではなかった。

 
こうした話は、その昔、木版の印刷技術が登場すればすぐに、浮世絵であぶな絵のたぐいが作られましたし、写真技術が生まれればすぐさま当然のようにヌード写真が出回り、よりリアルに、ということでたちまち3Dのヌード写真まで登場しました。電話におけるテレフォン○○○○はつい昨日のことで、インターネットの昨今ではその範囲が一挙に世界に広がりました。

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●ビクトリア朝時代を彩る貴婦人 その表と裏(右の2枚はオルセー美術館蔵 部分)
 芸術か猥褻かの議論は、未来永劫続くことでしょう。

 
このように新しいインフォメーションやコミュニケーションメディアが登場するたびに真っ先に取り付いて大もうけをたくらみ、社会問題を起こすのはみんな、いわゆる「風俗」と呼ばれる社会の裏側で暗躍するいかがわしい連中です。

 彼らは「需要があるから供給するのだ」とうそぶいているようです。風俗も文化の一面と見なせば、それなりに社会的役割を担っているところもあり、
ある意味では二ューメディアを急速に拡大させる牽引力の役目を果たしているところもあってなかなか難しいのですが、あくまでもそれは反社会的行為。認めるわけにはいきません。
  問題は、そういった人種によって、本来は明るく楽しいコミュニケーションのためのメディアの本質が大きく歪められ、規制がどんどん厳しくなることによって、そうした技術をまじめに活用しようとする圧倒的多数の人たちが十分な恩恵にあずかれなくなるという傾向が見られることです。これでは本末転倒。全く遺憾に思います。
 

  とにかく、すべての物事には歴史があります。現在に至る経緯があります。例えば、今、私たちが手にしているビデオカメラは、一体どのような経緯から生まれてきたのか。また、私たちが毎日当たり前のように楽しんでいるテレビドラマや映画、あるいはアニメーション。これらが最先端のデジタル技術を採り入れて、すばらしいイリュージョンを提供してくれるようになるまでに、一体どれほどの年月が費やされたことか。さらには、これらの技術に関わるハードやソフトに、どれだけ多くの人たちの英知とアイディアが費やされたことか……。こうした事柄に思いを馳せてみることは、情報から趣味に至るまで広く利用されるようになった「映像」についての理解を深める上で、とても大切なことだと思うのです。

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●この場合、「動画」を観に行くとは言わない。

 
ところで、この「映画」と「動画」という言葉。ご存知の通り「動画」はコンピュータ用語で、「静止画」に対する言葉として使われるようになりました。どちらも動く画であることは同じなのですが、映画の場合は「スクリーンに拡大投影」することによって成り立ちます。それに対して「動画」は必ずしも投影を目的としません。文字通り「動く絵、動く写真」であれば、スクリーンで見ようがパソコンのモニター上で見ようが構わない訳です。
 個人的には映画を動画と呼ぶことに若干の抵抗を感じるのですが、今ではビデオカメラで撮った作品も「映画」と呼んでスクリーンに上映する時代ですから、「映画」は「動画」の中に含まれるものなのでしょう。(ややこしいですね)

  さて。映画が誕生した19世紀末では、それ
を開発したご本人ですら、まだ海のものとも山のものとも予測できなかったと伝えられています。「我こそは映画の発明者なり」と豪語していたトーマス・エジソンでさえ当初は、「動く写真」は単なる見世物としてしか考えていなかった節があります。(現在、映画の発明はフランスのリュミエール兄弟とされている)
 
例えば初期の映画は他人のキスを覗き見したり、婦人の着替えや入浴シーンなどが人気を呼んでいました。もちろんそれだけではありませんが、映画は人間の本能・本性をあからさまに反映させた、そんな下卑たところから始まったもので、決して最初から芸術的とか文学的とか言われるような高尚な代物ではなかったのでした。


●スクリーンに上映されて物議をかもしたと伝えられる「KISS」1896(無音)


●こんな可愛らしい作品も「花嫁の初夜」1900フランス(無音) 
 
 

 
しかしその本性はやがて目覚めます。動くものをそのまま保存し再現したいという極めて原初的な欲求です。この欲求に、人間本来の知性と感性と、時代を重ねて生み出された新しい技術が磨きを掛けました。
 映画が生まれてから100年以上も掛けて築いてきた最先端の映像…。それが今日のデジタル映像と言えるのではないでしょうか。

 


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コメント 28

kemm

sigさんならではの大作になりそうですね。
興味深く読ませていただいています。
今はカメラで手軽に動画も撮れるけどフィルの時代は大変でしたね。

by kemm (2015-02-05 05:08) 

駅員3

なるほど、動画と映画の違い・・・
8mmからビデオカメラへと進化し、最近ではスマホやデジカメでも動画の撮れる時代、庶民にとってとても身近なものになりました。

by 駅員3 (2015-02-05 07:08) 

路渡カッパ

発端は見せ物的・・・確かに、いわゆるウラ画像・ウラ映像は人類の本能が求めるものかも知れませんね。
人間に近い類人猿、チンパンジーなどは雌が群れの雄に性器を見せて回ります。雄はそれをまじまじと見て・・・(^_^ゞ
それで発情を確認して性交に及ぶとか。人間は二足歩行という進化をしましたが、そんな本能の名残があるのかもね。それに、二足歩行になったが故にアノ部分も見え難く、神秘の部分になったこともあるし・・・
ま、犯罪性が無ければ殺人シーンより愛し合うシーンの方がイイかな?
話しが脱線しましたが、現在大普及している映像機材によって、多くの才能が発掘され楽しませてくれるのを期待するばかりです。
by 路渡カッパ (2015-02-05 11:24) 

SILENT

>映画は人間の本能・本性をあからさまに反映させ>た、そんな下卑たところから始まったもので、決>して最初から芸術的とか文学的とか言われるよう>な高尚な代物ではなかった

確かに、神話や、お能や、宗教でも人間の本性から出発している気配を感じてしまいますね。
日本のアニメと絵巻物の繋がり大好きです。あらたな技術も繋がっていくのでしょうね。
by SILENT (2015-02-05 11:25) 

cafelamama

風俗的な見世物が映像の進化を進めたのでしょうね。
そして、無修正動画や無止画を閲覧しようとする欲求が
パソコンの普及を早めたとも言われていますね。
風俗を取り巻くいかがわしい連中のたくらみも
ある意味、映像の進化に付与しているのかもしれません。
by cafelamama (2015-02-05 19:49) 

hatumi30331

映画大好き!
WOWOWで、何でも観ます。
ジャンルは問わない。^^

子どもの頃は見世物小屋が大好きで..怪しいのが大好き!
ヘビ女やろくろ首・・・とか〜(笑)

好奇心と探究心・・・かな?へへ;


by hatumi30331 (2015-02-05 21:04) 

sig

ネオ・アッキーさん
kurakichiさん
         こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:08) 

sig

kemmさん、こんばんは。
80回ほどを予定しております。1920年代までで、それ以降はスターの肖像権とか厄介なことになりそうなので、その前までにします。いつもお気遣いいただき、ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:12) 

sig

tochiさん、こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:13) 

sig

駅員3さん、こんばんは。
みんなが映画を作れる時代になった割には、ビデオ作り、映画作りがなかなか一般的にならないのです。今は必ずしも作る必要なしでYOUtubeなどにUpできますからね。
by sig (2015-02-05 21:15) 

sig

saiya-hoshiさん
makimakiさん
森田惠子さん
yakkoさん
          こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:17) 

sig

路渡カッパさん、こんばんは。
為になるお話ありがとうございます。いや、本当に、特に最近の映画はそんなところがありますよね。映画はそもそも自分がやりたくてもできないことをかわりに疑似体験させてくりれるという大きな効果があるわけですから、必要以上の性描写が人口の減少に待ったをかけてくれるといいのですが。
by sig (2015-02-05 21:23) 

sig

masao。さん、こんばんは。ご訪問ありがとうございます。

by sig (2015-02-05 21:25) 

sig

CILENTさん、こんばんは。
絵物語がアニメの元祖、と言うようなこともこの先に書かせていただきます。永いこと映画前史を考えてきましたが、最近、人のあくなき欲求の果てを見たような気がしてきました。このブログの最後の結論になるのですが・・・
by sig (2015-02-05 21:31) 

sig

(た)さん
ChinchikoPapaさん
昆野誠吾さん
空のRayさん
          こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:32) 

sig

caferamamaさん、こんばんは。
映像の魅力は隅から隅までほぼ例外なく魅了してしまいますからね。
映像製作のプロからご覧になると、今後の記述に問題があったりすることもあるかと思われますので、どうぞご教示ください。
by sig (2015-02-05 21:37) 

sig

(。・・。)2kさん
青山実花さん
          こんばんは。ご来訪ありがとうございます。
by sig (2015-02-05 21:38) 

sig

hatsumi30331さん、こんばんは。
映画が最初に誕生した当時も、ヘビ女やろくろ首に匹敵するようなまがまがしい動画からでした。すなわち、洋の東西を問わず、奇異なものは人の好奇心をとらえるものなんでしょうね。
by sig (2015-02-05 21:43) 

般若坊

sigさんらしい 評論を読みました。誠にメディアはいかがわしいところから始まりますね。
創造の動機は、ちょっと暗いところに発生するようですね。
とはいえ俗にいうAVは、それなりに楽しいものです。
こう書かなければ、これから公開する5ページあまりが、無駄になるから・・・というわけです  ^^;
by 般若坊 (2015-02-05 23:31) 

sig

般若坊さん、こんばんは。
あはは・・・。実は一番自分らしくない記事なんです。これで精一杯。こんな程度までしか書けないのです。だから、般若坊さんのAV特集など見せられたら、きっとひっくりかえってしまうことでしょう。
by sig (2015-02-06 00:58) 

green_blue_sky

映画と動画、同じように思っていましたが。違うのですね(^_^;)
きちんとした歴史を学ばないといけないですね。
蝋梅がお庭にあるのですか、羨ましい~
by green_blue_sky (2015-02-06 07:09) 

sig

ゆうのすけさん
さる1号さん
ハマコウさん
          こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-07 23:55) 

sig

green_blue_skyさん
映画と動画の言葉の解釈はあくまでも個人的なものです。私はとにかく、ビデオのようにモニターやTV画面で峯のではなく、あくまでもスクリーンに映されたものが映画と思っているのです。動画は誰にでも作れますが、映画は次元が違うと思っています。硬いこと言ってすみません。笑
by sig (2015-02-07 23:59) 

sig

二郎三郎さん
八犬伝さん
yuzuhaneさん
          こんばんは。ご訪問門ありがとうございます。
by sig (2015-02-08 00:01) 

sig

YUTAじいさん
ちょいのりさん
ひまっこさん
lequicheさん
            こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-11 15:21) 

sig

うささん
シルフさん
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-13 10:11) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんばんは・ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-17 01:30) 

sig

ともちんさん、こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
by sig (2015-02-19 02:21) 

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